医療保険とは

医療保険には、公的医療保険と民間医療保険があります。それぞれの違いや、医療保険のメリット・デメリットについて解説します。2つの違いを理解して、自分に必要かどうか判断する際の参考にしてみてください。

民間医療保険とはどんな保険？

民間企業である保険会社が販売する商品のひとつで、公的医療保険だけでは補えない医療費などをカバーするための保険です。

保障内容は商品によってさまざまなものがあり、入院や手術を受けた場合の給付金が主契約となるものが一般的。

がんまたは3大疾病保障、先進医療保障、通院保障、就業不能保障などの特約を付けることもでき、より不安な部分をカバーする際に検討するとよいでしょう。

医療費の負担を軽減できるだけでなく、病気やケガで働けない間の収入の助けにもなってくれるでしょう。

公的医療保険と民間医療保険の違い

日本では、公的医療保険はすべての国民が加入することが法律で義務づけられています。「国民皆保険制度」といい、すべての人が保険料を支払うことでお互いを助け合う制度です。会社員やその扶養家族を対象とした「被用者保険」、市区町村が運営する「国民健康保険」、75歳以上または65歳以上で障害を持つ高齢者が加入する「後期高齢者医療制度」があります。

民間医療保険との大きな違いは、義務か任意かということと、保障される範囲です。公的医療保険では、病院にかかる際に保険証を提示して医療費を原則として3割負担で受けられることと、一定額を超えた際に還付される高額療養費制度があります。

ただし保険対象外の治療や薬、先進医療の場合には全額自己負担となり、入院中の食費や差額ベッド代も自己負担となります。

民間医療保険のメリット

民間医療保険のメリットは、保障の範囲が広いことです。突然の病気やケガの際に医療費を補えるため、公的医療保険だけではカバーできない部分を補填できます。特約を付けることで、主契約以外の給付を受ける事も可能。通勤特約や三大疾病特約、先進医療特約、がん保険などがあります。

また預金が十分ではないタイミングであっても、一時金としてまとまったお金を受け取ることができるタイプもあります。終身医療保険を選べば、年金受給前までに支払いを完了させ、その後は保険料を支払わず障害にわたって保障を受けることができます。

民間医療保険のデメリット

医療保険は一般的には保険料が掛け捨てとなります。貯蓄性がなく、保険料を支払っても解約時にお金が戻ってきませんし、満期になっても満期保険金がありません。

また医療保険は加入の際に、健康状態の告知を行う必要があり、病歴によっては加入できないものもあります。さらに、妊娠後一定の期間が経った場合には妊娠・出産の費用が保障対象外となるような、特定部位不担保もあります。

最近では、告知事項が決まっている「引受基準緩和型医療保険」や告知の必要がない「無選択型」という医療保険も出ていますが、一般的な医療保険より保険料が割高になります。