個人年金保険とは

平均寿命が大幅に延伸し、超高齢化社会となった現代では、老後の生活資金の確保が人生の大きな課題となっています。ここでは、公的年金制度のみでは確保することが難しい老後の生活資金を確保するための手段として、個人年金保険を紹介しています。

個人年金保険とはどんな保険？

個人年金保険とは、公的年金や企業年金のみでは老後の生活資金の確保が難しい場合に便利な、個人で加入できる年金保険制度です。保険会社が取り扱っている保険商品のひとつで、公的年金や企業年金で足りない分を補完するために用いられます。

公的年金との違いは？

公的年金と個人保険年金のもっとも大きな違いは、加入義務の有無です。公的年金への加入は、日本国内在住の20歳以上60歳未満のすべての人に義務付けられています。対して、個人保険年金は保険会社が提供する保険商品のひとつで、加入については任意となっています。

個人年金保険の種類

確定年金

確定年金とは、定められた一定期間受け取ることができる個人年金です。受け取り期間は保険商品ごとに10年、15年といったように決められており、受け取り期間中に被保険者が死亡した場合でも残りの受け取り期間分の年金を相続人が受け取ることができます。

有期年金

有期年金も、確定年金と同じように受け取り期間が決められている個人年金です。ただし、こちらは一部を除いて被保険者が受け取り期間中に死亡した場合は年金の支払いが終了し、相続人は残額を受け取ることができません。

終身年金

終身年金は、被保険者が生存している間はずっと保険金の支払いが受けられる個人年金です。被保険者が死亡した時点で年金の支払いは終了し相続人による受け取りもできませんが、保証期間付終身年金なら保証期間中に被保険者が死亡した場合、相続人による残額の受け取りが可能です。

個人年金保険のメリット

貯蓄が苦手でも大丈夫

個人年金は、加入していれば年金が支払われるので、習慣的な貯蓄が苦手な人でも老後の資金を少しずつ貯めていくことができます。

個人年金保険料控除が受けられる

個人年金保険の保険料については、一定条件を満たすことで、最大で年間4万円の個人年金保険料控除が受けられます。控除分だけ課税所得金額を抑えられるので、所得税や住民税の節税効果が得られるのです。

個人年金保険のデメリット

インフレの影響を受ける

インフレによって急激な物価の高騰が起こった場合、個人年金保険の年金の価値は低減してしまいます。これは、個人年金保険は契約した時点で支払われる年金額が決定されるので、その後で物価の高騰が起こっても支払われる年金額が変わらないためです。

早期に死亡した場合、支払われる年金の総額が少なくなる

有期年金や終身年金の場合、年金は被保険者が亡くなるまで支払われます。これは大きなメリットですが、被保険者が早い段階で亡くなってしまった場合は支払われる保険料が少なくなってしまうというデメリットでもあるのです。場合によっては、支払われる年金が保険料を下回ってしまうこともあります。